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センパイの声

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新しい自分との出会い

キャストネーム:さとちゃん  〇年〇月参加

 

福岡カタリバでの活動は大変だったこともあったけど、高校生や大学生と一緒に、感動して泣いたり、馬鹿な話をして笑い転げたりした時間の中で、成長できたし、とてもすてきな仲間と知り合うことができました。

カタリバで活動する中で、だれかの期待に応えようといつもどこかに力が入っていた私に、「気負うことなく、自分の気持にすなおに、楽しく、一生懸命に“今”を生きていくことが大切なんだ」そう思えるようになるきっかけをもらえたことはとても大きなことだと思います。

そして、「充実した“今”の先にある“自分の未来”に、とてもワクワクしている」そんな新しい自分との出会いが、とてもすてきな贈り物だったと思っています。

〜福岡カタリバに関わるまで〜

福岡県立大学は、田川市という福岡県の中央部の田園と山に囲まれた人口5万人の街の大学で、1学年250名とこじんまりしていて、女子比率が高く、まじめ、すなお、勤勉な学生が多いことが特徴です。

私は、地元田川市生まれで自宅から福岡県立大学に通っている「県立大生らしい大学生」でした。

福岡カタリバに関わるまでは、
1. 自宅で家族団らん
2. 大学で授業をまじめに受けて、友達と楽しいおしゃべり
3. ラーメン屋のユニークな大将と元気にバイト
4. 大学が運営する不登校の子どもたちが集うフリースクールで、ボランティアスタッフで、子供達と楽しく触れ合う

の4つの安心していられる“ほんわかした居場所”で日々を過ごしていました。

カタリ場に挑む情熱に驚愕!、「失敗したかも?。。。」と最初は後悔しました。

研修の中では、人生で初めて「あなたは何者で、何のためにどんなことをしたい?」という自分自身への哲学的な問いかけや、高校生へ向き合うときに「生徒たちが高校時代をいい時間にするために、どんなことがあったら良いと思う?そのためにカタリ場はなにが届けられると思う?」といった、考えてもよくわからないことを問いかけられて、頭が真っ白になってしまいました。

でも、和気あいあいとしながらも本気で語り合う研修の最後には、いろんな感情が湧き上がって、いつの間にか涙を流しながら想いを語っている自分がいました。

逆に全く心を開いてくれず、ずっとうつむいている生徒など様々な生徒と出会い、一生懸命に向き合ってきました。
うまくいった時の達成感、うまくいかなかった時の打ちひしがれた気持ち、貢献できる喜びと、何もできなかった時の挫折感、そのどちらも大きな経験となり、自分を成長させてくれたと感じています。

そしてなによりも、“どんなことも受け入れ認めてくれる仲間”がいる福岡カタリバは、今までの人生には感じられなかった、刺激をもらえると同時に自分の全てを受け入れてくれる“心から安らげる居場所”だったことが大きな理由です。

企画のリーダーなども経験し、この1年間は9人の仲間とコーディネーターとして組織全体の運営に関わってきました。

コーディネーターの役割は、
1. 高校ごとに選任されるプロジェクトの責任者の大学生スタッフのバックアップ
2. キャスト(ボランティアスタッフ)集め
3. キャストに対する研修の企画やフォロー
4. 高等学校の先生との打ち合わせ
などなど

まだ、立ち上がったばかりの福岡カタリバチームにはやらなければならないことが沢山あります。
学生時代に組織運営に必要なことはなにか?を考え、そしてそれを一緒に作り上げていくことは、苦労もあるけど、とても充実した時間でした。

 

〜カタリバで変わったこと〜

カタリ場のプログラムは高校生に大学生が本気で向き合い「君はどんな人で、どんな可能性があり、どんなことがしたい?」を一緒に考えることです。生徒への問いかけが、自分にも戻ってきて、自分自身もそのことを一生懸命考えるようになりました。

カタリバには学生の他に、地元だけでなく全国の個性豊かな大人も関わっています。そんな大人の人たちから「人生は、決してまっすぐじゃないし、やりたいことは時間とともに変わっていくもの。勇気を持って挑戦することが大事だし、その結果の失敗も全然OK。自分を信じて、やりたい気持ちに耳を傾け、前に進んでいくことが大切」ということを学びました。

自分の人生を考えたとき、大人の人たちの言葉にも背中を押されて、卒業後の進路が不安だったので躊躇していた“大学院への進学”も決意できました。

そんな、人生に対しての考え方や価値観の変化だけでなく、自分の変化の中で一番驚いているのは「たくさん泣くようになったこと」。

ちょっとした出来事や、ふとした人の感情の動きに“こころのひだ”がゆれ、すぐに感動する自分になれたことにとても驚いています。自分の“こころ”の中にとても共鳴しやすい音叉が生まれたのかもしれません。

カタリバの経験を大切にして自分らしく、気負うことなく未来に向かって歩いていきたいと思います。